余計な期待

一昨日 北京から戻りました。
上海万博は予想に反して不調のようで、入場者7000万人という目標には程遠く、あせった上海市は市内の各家庭に無料の入場券を一枚ぢつ配布し、おまけに交通費200元(日本円換算で2700円)までも配布して市民の入場を勧誘しています。しかしそれでも市民の反応は芳しくないようです。5時間以上も並んで見る必要がないとか、一番暑い時期を選ぶのは間違いだったとかいう声が聞こえてきます。
アジアで2番目の万博開催だとか言って、国家的威信をかけて始めましたが、テーマ曲や中国館のデザイン、そしてマスコットキャラクターまでもがコピーと言われ、そして過大な入場者予想と、中国らしい躓きだらけです。
国内は内需拡大とばかり資金を過剰供給した結果、物価高を招き労働者の賃上げストで、外資系の製造業はフィリピンやスリランカに移転を考え始めています。

しかし中国の富裕層の消費は相変わらず好調のようです。不動産価格の高騰に、政府は規制をかけ始め、資産が不動産から骨董やブランド品に向き始めているようです。
また中間層も相変わらず消費意欲が旺盛で、飲食も買い物もまだまだ成長しそうです。

中国の経済がどうなるのかは、まだまだわかりません。
日本人は中国経済がどこかの時点で下降しはじめるのを、かすかに期待しているかも知れませんが、それよりこれから日本人がどうやって生きてゆくかを考えるほうが大切なのではないでしょうか。